交通事故チームの弁護士 五十嵐 亮(長岡事務所所属) です。
このコラムでは、交通事故被害者救済を行う弁護士が、日々感じたことを書いてい
交通事故によりけがをして医師の治療を受けても、けがの程度によっては、痛み・体の不自由(関節の用廃や可動域制限等)、骨の変形、大きな傷跡、内臓の機能障害、痛みやしびれなどの神経的症状が残ってしまうことがあります。
これが「後遺症」です。
「後遺症」は、医学用語です。
これに対し、「後遺障害」というのは、後遺症のうち、
①いかなる後遺症を損害賠償の対象にするのか、
②損害賠償の対象とするとしていったいいくらの損害賠償金を受給できることにするのか
ということを定めるために法律で定められた概念です。
自賠責保険による後遺障害等級に認定されると「後遺障害」となり、障害の程度に応じて1級から14級までの等級が認定されます。
それぞれの後遺障害等級認定の要件は、法律等で細かく定められています。
このように「後遺障害」は、法律用語です。
すなわち、後遺症≠後遺障害です。
なので、お医者さんは、法律用語である「後遺障害」を必ずしも正確に理解しているわけではありません。
ですので、お医者さんに「後遺症は残りますか?」という質問をすれば、答えてもらえると思いますが、「どうやったら後遺障害の認定はされますか?」と聞いても、お医者さんとしては専門外ですので、答えに困ってしまいます。
そして、「後遺障害診断書」も後遺障害等級認定に使用する書類ですので、必ずしもお医者さんは、後遺障害認定がされるように書いてくれるわけではありません。
このように、交通事故における「後遺障害」は、医療的な側面と法律的な側面の両方が絡む問題ですので、お医者さんが知らないといってもお医者さんをせめることはできません。
(交通事故の被害者方の中には、「医者なのにそんなことも知らないのか」とおっしゃる方もおられますが、そのような方に対しては、この記事にあるような話をするようにしています)。
だからこそ、適切な後遺障害等級認定を得るためには、法律の専門家である弁護士のサポートが必要ということになります。
一新総合法律事務所の弁護士が、交通事故の被害に遭われ、後遺症に苦しんでいる皆様のお役に立てれば幸いです。
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