長野県において、６５歳以上の高齢者の交通事故（死亡事故）が多いことは、以前の記事でも触れたところです。

今回は、高齢者の交通事故（死亡事故）に関する賠償請求を行う際の注意点について書きたいと思います。

交通事故によって死亡事故が発生した場合の賠償金の項目としては、大きく分けて、①死亡慰謝料、②死亡逸失利益、③葬儀費用が挙げられます。

高齢者の交通事故（死亡事故の場合に特に問題となりやすいのが、②死亡逸失利益です。

死亡逸失利益とは、交通事故がなければ、将来にわたって得られたはずの利益（収入）が得られなくなったことによる損害のことを言います。

死亡逸失利益は、「将来にわたって得られたはずの利益（収入）」があることをぜんていとしますので、例えば、交通事故時点で、無職であった高齢者の場合には、保険会社より、死亡逸失利益がゼロとの提示をされることがあります。

しかし、交通事故時に無職の高齢者であっても、就労することの蓋然性があれば、賃金センサス（平均賃金）を参考にして、死亡逸失利益を算出することが可能です。

「就労することの蓋然性」は、交通事故の被害者本人の交通事故前の就労実績、健康状態、就労能力、就職活動の状況などの事情を考慮し判断することになります。

また、年金受給者であれば、年金の逸失利益性が問題となりますが、年金の逸失利益性を肯定した裁判例もあります。

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