一新総合法律事務所の弁護士が執筆した『子どものためのやさしい法律ガイド』（考古学書店刊）から、交通事故に関する記事をご紹介します。

 

交通事故を防ぐため、ぜひお子さまと一緒に理解を深めてください。

 

＜新潟の弁護士と学ぶ、子どものための交通事故ガイド＞

 

第１回目　事故はなぜ起こるの？

第２回目　事故の責任は誰に？

第３回目　命の値段はいくら？

第４回目　交通事故を起こしたら

第５回目　もし交通事故にあったら

第６回目　保険のいろいろ

 

 

第５回目のテーマは、「もし交通事故にあったら」です。

 

 

翼君と菜々子さんは、おじいちゃんを交通事故で亡くしたことで、安全について以前より考えるようになったようです。

 

しかし、どんなに注意していても事故にまきこまれることもあります。

不幸にして交通事故にあったら、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。

 

 

■■　登場人物　■■

 

翼君

 

 菜々子さん

 

一新総合法律事務所の弁護士

 

 

 

 

 

もしわたしたちが事故にあってしまったら、どうすればいいのかしら。

 

 

 

 

 

人がけがをしていたら、救急車を呼んでもらうしかないよ。

 

 

 

 

 

でも、加害者が逃げてしまうかもしれないよ。

 

  

 

 

 

そうだね。まず、事故の相手を確認して、警察や救急に連絡しなければならないね。

 

 

 

 

 

「示談金をたくさん払うから、警察には届けないでくれ」なんて言われたらどうすればいいのかな。

 

 

 

 

 

そんなこと信じていると後で大変なことになるわよ。

 

  

 

 

 

そうだね。事故が起こったときに、その状況を証拠として保存しておかないと、後で自分は悪くないなどと言い逃れされてしまうこともあるよ。

 

 

 

 

  

そっか。まず警察に届けることが重要なんだね。

事故の相手が示談を申し出てきたらどうしたらいいのかな。

 

 

 

 

  

そもそも「示談」ってどういうことかしら。

 

 

 

 

 

「示談」は、民事的紛争を裁判手続などによらないで話し合いで解決することだよ。

 

 

 

 

 

加害者が被害者に対して、損害賠償としていくら払うかなどを決めることだね。

 

  

 

 

 

被害者は損害賠償をしてもらえるメリットがあるみたいだけど、加害者には何のメリットがあるの？

 

 

 

 

 

加害者も自分がいくら払えばよいか明確になることはメリットなんだ。示談する際に、清算条項といって、示談書に記載された約束以外に互いに請求権がないことを確認するから、被害者は後になってから、やっぱりもっと欲しかったということが言えなくなるんだ。

 

 

 

 

 

じゃあ、加害者も被害者も、示談することは利益になるってことね。

 

 

 

 

 

示談が成立したときは大したことないケガだと思っていたけど、その後事故が原因で歩けなくなったりする後遺症が発生した場合も、加害者に対して後遺症の損害を新たに請求することはできないのかな。

 

 

 

 

 

うーん。示談に清算条項が入っていると、できないような気がするけど、それじゃあ示談した被害者がかわいそうね。 

 

 

 

 

 

そうだね。示談成立時に予測できなかったような後遺症が生じたときは、示談の対象になっていなかったということで、別途請求できる場合があるよ。

だけど、予測できたか否かなどの争いが生じてしまうから、後遺症が野ｋ理想名場合は安易に示談することをせずに、専門家の助言を聞きながら慎重に話し合うことが必要だね。

 

 

 

 

 

専門家って弁護士さんのことをいうの。

 

 

 

 

 

被害者側はそうだね。ただし、加害者側は、あらかじめ入っていた保険契約の内容によっては保険屋さんが示談を代行してくれることもあるよ。もちろん、保険屋さんも弁護士に任せた方がよいと判断したときは、弁護士に依頼することになるけどね。

 

  

 

 

第６回目の次回は、「保険のいろいろ」をお送りします。

 

 

交通事故｜新潟の弁護士による被害者相談

 

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