●自賠責保険を利用できる可能性があります

 

加害者が任意保険に入っていない場合でも、自賠責保険には入っている場合があります。

その場合、自賠責保険から120万円を限度として治療に関係する補償が受けられます。

 

後遺症が残った場合や死亡事故に対しても一定の限度で補償が受けられます。

相手方が自賠責保険にも入っていなかった場合は政府保障事業により補償されます。

 

しかし、最低限度の補償ですので十分ではありません。

また、自動車の修理代などの物損に対する補償は受けられません。

 

自動車に乗る限り事故は必ず起きます。

しかし、被害者は加害者を選ぶことはできません。

お金がないから保険に入らないのですから、加害者本人からの回収は難しいでしょう。

そこで、加害者が無保険だった場合に自分で備える必要があります。

 

●ご自分の保険で事故に備えましょう

 

自動車保険に加入するときに、

人身傷害補償保険に加入すれば自賠責保険以上の補償が受けられます。

車両保険に加入すれば、修理費の補償が受けられます。

 

また、交通事故であっても治療のために自分の健康保険が使えること、通勤中や業務中は会社が掛けている労災保険が使えること、後遺症が残った時は国民年金や厚生年金の障害年金が使えること、介護が必要な場合は介護保険が使えることも知っておくとよいと思います。

 

 

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所　弁護士　古島　実◆
＜初出：顧問先向け情報紙「こもんず通心」2014年5月15日号(vol.150)事故賠償チーム連載⑱＞

※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。

  

 

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