国土交通省は、今年1月17日、交通事故被害者の支援を安定的に続けるため自動車損害賠償責任保険(略して「自賠責保険」)の保険料値上げを盛り込んだ関連法改正案を2月下旬に国会へ提出すると発表した(2022年1月18日新潟日報)。
値上げ幅は、車両1台あたり年間100円から150円程度の値上げを想定しているという。
具体的な金額は今年秋頃に示し、2023年度の導入を目指すとしている。
日本の車両保有台数は、ネット検索によれば「7662万台」ということであるから、100円から150円の値上げで、およそ76億円から115億円の増収となる。
2020年の日本の交通事故件数は、およそ30万件で、そのうち、死亡事故及び重傷事故件数はおよそ3万件である。
平均で出してもあまり意味はないが、増額分は一件あたり25万円から38万円程度でしかない。
自動車事故は、自動運転技術の進展及び事故規制の徹底などにより、毎年事故件数が減少している。
弁護士が、任意保険の弁護士費用特約で、交通事故に関与する件数は、日本弁護士連合会が把握している件数で年間4万件弱であるから、すでに、重傷事故以上の事故には必ずと言って良いほど、弁護士が関与する可能性が高い(日本弁護士連合会が把握していない件数で、弁護士が関与している件数は、保険会社間のシェア状況からすると、さらに1万5000件以上はあるものと推察される。)
このとき、弁護士費用特約がない被害者は、自腹で弁護士に対する相談料や着手金等を払って相談や依頼をしなければならない。
中には、必ず賠償金が得られる見込みがあるとして、相談料や着手金等の弁護士費用は、保険会社との交渉や裁判が終わってから精算してもらう方法をとっている弁護士も少なからずいる。
一方で、任意保険における自分の弁護士費用特約を知らない被害者も多く、自分がその特約にしていたかどうかさえ、忘れている場合もある。
交通事故被害者が、いったんは必ず弁護士に相談できる体制を作るには、強制加入させられる自賠責保険に弁護士費用特約をつける方法もあるだろう。
そうすれば、相談や事件も遠慮なく(自腹を痛めることなく)依頼できる。
弁護士も、被害者の初期の相談から保険会社との交渉における相談まで、対応することができ、依頼者を安心させられる。
任意保険の弁護士費用特約は、相談料10万円、弁護士費用300万円という限度額が多いが、少なくとも自賠責保険で弁護士の相談費用5万円程度(1回あたり1万円として5回程度)をつけることができれば、相談段階である程度の方向づけはできる。
交通事故被害者が、車社会の便宜性のためのある種の犠牲者であることを考えれば、その権利行使のために、最も身近な「司法アクセス」である弁護士へのアクセスを充実させることは、まさに国連持続開発目標(SDGs)16(※1)を実現することにもつながる。
国土交通省の法案に是非、盛り込んでもらいたいものである。
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※1 国連持続開発目標(SDGs)16とは:目標16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する(参考URL:国連開発計画 https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html)
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