クラシックカーなどと呼ばれる車があります。
正確な定義は色々とあるようですが、現在では製造されておらず、生産終了から数十年が経過している車を指し、特にある特定の年代に作られた良い車はヴィンテージカーとも呼ばれているようです。
クラシックカーには愛好家がおり、興味のない人にとっては想像ができないような高額で取引がされる車もあります。
過去に外国製の高級クラシックカーに関する損害賠償事件を扱いました。
クラシックカーを購入した後、間がないところでエンジンに不具合があることが判明し、その修理に多額の費用がかかったというものです。
エンジンの不具合がいつどこで、どういった原因で発生したのかが争いとなりました。
今現在生産されている車であれば、事故歴があったり、よほど乱暴に使用されたものでない限り、中古車であっても走行に支障のあるエンジントラブルは売主側の責任として修理費用等を負担する場合が多いでしょう。
売主としては、ボディの細かな傷などは目を瞑ってもらうとしても、最低限走行できる車を売り渡す義務があります。
他方、既に50年以上前に生産が終了し、丁寧に乗られてきたとしても走行距離もわからないほど乗られてきたクラシックカーなどはどう扱うべきなのか。
エンジンの各パーツについても摩耗や消耗は避けられず、当然買主もある程度の不具合は折り込み済みとなっています。
結局、その不具合をどこまで買主は許容しなければならないのか、また売主はどこまで不具合の発生について説明しなければならないのか、それが法的に争われるのです。
この時、大きな問題となるのは我々法律家が車の構造などについてほとんど素人ということです。
特に古い外国製の車のエンジンとなると、身近な車の整備士に聞いても分からないと言われてしまいます。
それを裁判となった場合には不具合の内容、不具合が発生した原因などについて裁判官が理解できるように説明しなければいけません。
例えばその不具合が長年の使用による経年劣化が原因なのか、それとも整備などの過程で車両の操作を誤ったことが原因なのかというのを車の構造から説明していくのです。
私が扱った事件では、不具合の原因はエンジンルーム内の小さな部品の破損でした。
その破損は経年劣化などが原因で生じるものではなく外的な要因でありましたが、外国車専門の整備士から話しを聞き、色々と勉強をすることとなりました。
私からすると、クラシックカーを購入するのと同じ金額の最新の車の方がよいとも思ってしまうのですが、手がかかっても古き良き時代の車には大きな魅力があるという事件でした。
<初出:顧問先向け情報紙「コモンズ通心」2022年10月5日号(vol.273)>
※掲載時の法令に基づいており、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。
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